「上司の話が抽象的すぎて、結局何が言いたいのかわからない…」
「本や講演でフワッとした抽象的な話を聞いてもピンとこない…」
そんな経験、ありませんか?
実は、抽象論を理解できるかどうかは、仕事の成果や思考力に大きく関わります。
なぜなら、抽象論を理解する力は「物事の本質をつかむ力」だからです。
今回は、抽象論を爆速で理解するためのスキルと具体的なトレーニング法をわかりやすく解説します。
ポイント
- 抽象論とは何かわかる
- 抽象論を素早く理解する方法がわかる
抽象論とは?
まず、「抽象論」とは下記のことを言います。
具体的な出来事の背後にある共通点や本質を言語化したもの
たとえば、
- 「Aさんはいつも挨拶をしてくれる」
- 「Bさんもよく声をかけてくれる」
- 「Cさんは見かけると笑顔を向けてくれる」
という具体的ないくつかの出来事から、
「人との関係は、まず自分から心を開くことが大事だ」
という物事の共通要素を抽出したエッセンスが抽象論です。
身近な例としては、数学の「三平方の定理」は個別の三角形の形状を離れて一般性を持たせた抽象論の例と言えます。
このような抽象論を理解できる人ほど、
- 全体像をつかむのが早い
- 本質的な判断ができる
- 新しいアイデアを生み出せる
といった特徴があります。
抽象論を理解するためのスキル
これまでの例からもわかるかもしれませんが、抽象論は「一段上から物事を見る視点」によって生まれます。
抽象論を理解するには、いくつかの思考スキルが必要です。
ここでは代表的な3つを紹介します。
俯瞰的に考える力
抽象論は、物事を上から見下ろして考えたような発想から生まれます。
個々の部分的要素ではなく、全体を見渡して「この出来事はどんな構造で起きているのか?」をとらえる視点が大切です。
俯瞰力を鍛えることで、どんなテーマでも共通点や本質を見抜けるようになります。
俯瞰力については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
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具体と抽象を行き来する力
抽象論は個別の「具体」から生まれます。
たとえば、「成功するには努力が大事」と言われてもすぐにはピンこないでしょう。
しかし、「毎朝1時間、英語を勉強し続けたらスピーキング能力が上がり、海外案件に大抜擢された」という努力の具体的な事例を聞くと、理解が一気に深まります。
このように、抽象論は具体化することで初めて解釈がしやすくなります。
つまり、「具体⇄抽象」を行き来できる人ほど、抽象論をすぐに腑に落とせます。
具体と抽象を行き来することについては、こちらの記事でより詳しく解説しています。
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言語化する力
抽象的な考えは、言葉にしなければ形になりません。
抽象論には実体がないということです。
だからこそ、自分の言葉で解釈しなければなりません。
頭の中で「なんとなくわかる」ではなく、「つまりこれはこういうことだ」と自分の言葉で説明することで、理解が一気に進みます。
抽象論を理解する具体的な方法
では、どうすれば抽象論を爆速で理解できるようになるのでしょうか?
ここでは、実践的なトレーニング法を紹介します。
具体的事象から共通点を探す
抽象論の出発点は、いつも「具体」です。
たとえば、仕事でうまくいった3つの事例を並べてみてください。
それらに共通する行動や考え方を探すと、「本質的な成功パターン(=抽象論)」が見えてきます。
たとえば、「うまくいった営業」3件を分析したときに、共通点は「相手の話をよく聞いて本当の困りごとを特定した」ことだったとします。
この場合、「営業の本質は傾聴である」という抽象論を得ることができます。
他分野に応用してみる
抽象論を理解できる人は、「転用」が上手です。
たとえば、営業で学んだ「傾聴の大切さ」は家庭や身の回りの人間関係にも応用できるでしょう。
なにかしらのエッセンスが他分野に使えると感じた瞬間、あなたは抽象論を理解できています。
この「転用」は、抽象論を具体化することを意味しています。
具体から生まれた抽象論を、また別のケースで具体化しているのです。
言語化・図にする
抽象論は、「見える化」することで一気に腑に落ちるようになります。
自分の考えを文字で紙に書いてみたり、図で整理したりしてみてください。
「構造」を視覚化することで、理解が深まります。
まとめ
今回は、抽象論についてまとめました。
抽象論を理解できるようになると、次のような変化が起きます。
- 物事の全体像がつかめる
- 人の意図を正確に読み取れる
- ビジネスでの判断が速くなる
- アイデアの質が高まる
抽象論は、センスではなくスキルです。
抽象論を理解することは、「考える力を底上げする最短ルート」です。
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