私たちは、日々様々な問題に直面し、問題解決を行っています。
しかし、その問題自体の捉え方が間違っていることで、本当に解決すべき問題の解決策が得られていないことも多く目にします。
つまり、問題と解決策がズレてしまっているのです。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。
今回は、問題の本質を捉えて根本的に解決する方法についてまとめます。
ポイント
- 問題解決により詳しくなる
- 問題を根本的に解決する方法がわかる
改めて考えてみる問題とは!?
問題とは、何かしらの困難や不都合または改善が必要な状況のことであり、解決すべき事柄のことを指します。
社会・経済・政治などの大きな問題から、家電の調子が悪いなど日常的に起こる些細な問題まで様々な問題が存在します。
試験で解答を求められるものも同様に「問題」と言いますが、ここでは一旦置いておきましょう。
問題には範囲がある
問題には、どこまで解決するかという範囲があります。
例えば、「社内のある上司Aさんと部下Bさんでコミュニケーションですれ違いがある」という問題があったとします。
この問題は、一例として大きく分ければ次のように捉えられるでしょう。
- 上司Aさんと部下Bさんの当事者間だけの問題として捉える
- 全社的な問題として捉える
問題の範囲をどこまで考えるかで取るべき解決策は変わる
問題には範囲があり、どこまでを問題と捉えるかによって取るべき解決策は異なります。
先ほどの「社内のある上司Aさんと部下Bさんでコミュニケーションですれ違いがある」という問題の場合、解決策を考えてみると良いか悪いかは置いておいて例えば次のようになります。
- 上司Aさんと部下Bさんの当事者間だけの問題として捉える
→当事者間で腹を割って話し合いを行う - 全社的な問題として捉える
→1on1ミーティングを制度として導入する
このように、問題をどの範囲で捉えたかによって解決策が異なってきます。
この「問題の範囲」についてもう少し説明します。
問題の範囲とは、結局のところどのくらいの時間軸で考えるのかということです。大枠で考えると、今すぐ目の前で起きた問題にだけ対処するのか、それとも後々同じような問題が起こらないように今対処しておくのか、ということです。
要するに、問題解決は大きく分けて次の2つに分けて考えることができます。
- 短期的な問題解決
- 長期的な問題解決
短期的な問題解決
短期的な問題解決とは、目の前にある具体的な問題に対して即座に対処することです。
先ほどの問題の例で言うと、「当事者の上司と部下で腹を割って話し合う」という問題解決のことです。
この方法は、緊急の対処としては良いですが、問題の一部を解決したに過ぎず根本的な解決には至りません。
同じ環境なら、他の上司と部下の間でも同様の問題が起こりうるでしょう。
長期的な問題解決
長期的な問題解決とは、問題の根本的な原因や仕組みにアプローチし持続的な解決策を見つけることです。
先ほどの問題の例で言うと、「1on1ミーティングを制度として導入する」という問題解決のことです。
この方法は、今後同様の問題を起こりにくくしますが、解決策を講じるのに比較的時間がかかります。
1on1ミーティングを制度として構築し、導入して運用慣れしていくには時間がかかりますよね。
問題の本質を捉えた解決策を考える方法
短期的な問題解決は、目前で起こっている問題を解決するのでどう解決すべきかわかりやすいことが多いです。
しかし、長期的な問題解決をする場合は、その問題の本質を捉えた上で同様の問題が起こらないように根本的な解決策を考える必要があります。
ですので、まずは問題の本質を捉えられなければなりません。
問題の本質を捉えるための前提スキル
問題の本質を捉えるには、以下のようなスキルが必要です。
俯瞰して考える
俯瞰して考えることは、高いところから見下ろすように広い視野で考えることです。
俯瞰することによって、問題の全体像や関連する要素を理解し、それらの間の関係性を見出すことができます。
俯瞰して考えるについて、より詳しくはこちらの記事でまとめています。
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論理的に考える
論理的に考えるとは、事実や根拠に基づいて物事を考えることです。
論理的に考えることで、客観性を保つことができます。
論理的に考えるについて、より詳しくはこちらの記事でまとめています。
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ポイントは問題を抽象的に考えること!
前提のスキルを踏まえたうえで、問題の本質を捉えるには問題を抽象化して考えなければなりません。
問題を抽象化するとは、その問題をより一般的に考えるということです。
抽象化して考えることについては、より詳しくはこちらの記事でまとめています。
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例えば、先ほどの「社内のある上司Aさんと部下Bさんでコミュニケーションですれ違いがある」という問題で考えてみましょう。
この問題を抽象度を上げると、例えば特定の人に限らない「上司と部下のコミュニケーションのすれ違い」や、「組織内の人のコミュニケーションのすれ違い」となります。特定の人の問題をより一般化して考えています。長期的な問題解決は、このようにして一般化した問題に対して解決策を考えていけばいいことになります。
これまでをまとめると、問題を抽象化してより一般化して考えることで、その問題を根本的に解決するような本質を捉えた解決策を生み出すことができます。これが長期的な問題解決です。
まとめ
今回は、本質を捉えた問題解決の方法についてまとめました。
問題解決は私たちの日常に欠かせないスキルです。
すぐに問題の解決策を考えるのではなく、まずは問題をどう捉えるかを考えましょう。
何が問題か、それが問題なのです。
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